「アメリ」

アメリ [DVD] アメリ プレミアム・エディション[アメリ缶] [DVD]
 先日(2005年8月28日の日記参照)ルノワールの「船遊びの昼食」を観たおかげで映画「アメリ」"Le Fabuleux Destin d'Amélie Poulain"が観たくなり、外では激しい雷雨が降りしきる中、妻と一緒にDVDを観た。劇場でも観たし、このDVDも何度か観たのだが、やっぱり「アメリ」は何度観ても面白い。
 一時は「アメリ現象」を起こしたほどの人気ぶりだったが、パリでモンマルトルでカフェでお洒落〜とか、「アメリになりた〜い」(おいおい)とか、結局ただのオタクでストーカー女じゃないかとか、妙に"外側"からの評価ばっかり多くて、意外にもこの映画の本質を掴んでいる人は少なかったように思う。この映画は、ひと言で言ってしまえば、あの冒頭に登場したブリキのおもちゃをいっぱい詰め込んだ宝箱のような映画だ、と私は思うのです(そういう意味では、女の子が主人公だけれど、けっこう"男の子"的な映画である)。子どもの夢がいっぱい詰まった、楽しい(時に残酷な、ちょっとノスタルジーを含んだ)空想と夢の世界。だから妙な細部にこだわったり、あんなにばかばかしいところで大げさだったりするのだ。素晴らしい映像も、さまざまな色彩に溢れているのだけれど(特に赤と緑が特徴的)、単純に鮮やかな色どりではなく、どこかくすんだ色彩になっているのがまた、そういう趣きを強くしている。あ、と言っても、これはお子様向きの映画ではない。あくまで大人が観るべき映画です。
 さらに、アメリをはじめ、自分の世界を持ったどこかずれてる登場人物たちへの優しい視線を常に感じるのも印象的。ある意味彼らと同類であるジュネ監督の、(自分自身を含め)不器用に生きている人たちへの、暖かいエールなのだろうと思う。
Amelie アメリのしあわせアルバム
 観終わって、とてもホクホクと幸せな気分になって、来週一週間が元気に過ごせそうな気分になった。さっそくサントラCDの曲をiPodに入れたのだった。関連商品といえば、「アメリのしあわせアルバム」という本は、ただの映画紹介本ではなくて、映画と同じように楽しいアイディアに満ちていて、パラパラ見ているだけでも楽しい本。これもオススメである。

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