SAGA伝説

Trust (W/Dvd) (Spec)
 前日の飲みすぎがたたり、朝から胃腸が荒れ気味。「酒は飲んでも呑まれるな」とはよく承知しているのだが、どうもこの頃よく呑まれてしまう。やれやれ。
 荒れた胃腸を抱え、仕事の行き帰りの電車の中で、先週購入したサーガSAGAの新譜"Trust"をじっくりと聴く。前々作の超名盤"House of Cards"にはやや及ばないかもしれないが、この新譜もなかなか良い。カッコいいフレーズが満載だし、お得意のキーボード・アンサンブルはしっかり健在。イアン・クリットンのギターもいかにも「これこれ、これがSAGAのギターだよね!」という感じで非常にナイス。
 しかし70年代から活躍している彼らのこと、今やすっかりいいオジサンなのだろうなあ。特典DVDの映像を見るのが楽しみだ(笑)。
House of Cards Worlds Apart
 あの不朽の名盤"Worlds Apart"を私が最初に聴いたのは、確か中学生のときだったように思う。"Wind Him Up""On The Loose""Framed""No Regrets"……捨て曲ゼロどころか、全部が名曲。きらめくシンセ・サウンド。キーボード・アンサンブルの魅力をフルに発揮したその魅力は、今でもまったく色褪せない。
 残念ながら、その後は音楽的に迷走した時期があり、メンバーの脱退などもあって鳴りをひそめ、すっかり忘れ去られた感があった。私も、まあ自然消滅的に解散したのかなと思い込んでいた。
 ところが、最盛期のメンバーが再結集して、再び活動を再開しているのを知ったのは1999年頃だったか。原点回帰を期して制作された"Full Circle"は期待したほどでもなかったが、次の"House of Cards"は本当に素晴らしく、「SAGA復活!」と喜んだものだ。初期のポップなプログレッシブ・ロックのスタイルを頑なに守り通す彼らは、今や「頑固なロック職人」を貫くことに目覚めたのだろうか。最近のアルバムのジャケは、初期のジャケに登場した想像上の昆虫が、形を変えて必ず登場しているし。
Chapters Live
 ところで、SAGAといえば、初期と最近のいくつかの曲には"Chapter"がついた曲がある。全ての曲についているわけではないし、チャプターの順番もバラバラだったりする。
 この謎の"chapter"には意味があるのか、それともないのか(単なる気まぐれなのか)、数字の順番に並べるとひとつの物語になったりするのか、よくわからないことだらけなのだが、この"chapter"のついた曲だけを、しかも数字の順番に演奏したライブを収録したCDが最近出ていることを知った。チャプター順の演奏! これは聴いてみたいなあ〜。

  • http://www.saga-world.com(アーティストのオフィシャルサイト……のはずだが、現在休止中の模様)