「ましろ」は心の中に

studio_unicorn20061212

 昨日は38度以上あった妻の熱も、今日は37度前半くらいにまで下がってきて、一応快方に向かっているようだ。このまま熱が下がってくれれば、あとは食欲さえ出てくれれば完治といえるのだが。
 そんな妻の読み聞かせ本……もとい、ベッドサイドブックとして、買ってしまいました。「子うさぎましろのお話」を……。
 我々夫婦には子どもはいないが、まあ、子どもが2人で暮らしているようなものだからいいよね。しばらく前から気になっていたし、私自身も読みたかったし。ちょうどクリスマス前の、この絵本に相応しい季節だし。この素敵な物語に今一度触れておきたかったのですよ。
 それにしても、「子うさぎましろのお話」! ものすごく、ものすご〜く懐かしい〜。幼い頃、何度この絵本を読み返し、どんなにこの本が好きだったことか。だからこの本の記憶は、今でもけっこう残っている。細かいディテールのひとつひとつが、いちいち私のツボだったのですよ(今でもツボだ)。
子うさぎましろのお話 (おはなし名作絵本 3)
 そして今、大人になって読み返してみると、これが実に奥深く、味わい深い絵本なのだということを強く感じる。たとえ子どもの心でも、ちゃんと優れたものを選び取っていたものだなあ、と自分に感心(笑)。子うさぎましろのかわいらしさはもちろんだが、この悔悟と償いと救済と祝福のささやかな物語は、読む人の心を温かくしてくれるだけでなく、とても深いところで、ものすごく大切なことを我々に伝えようとしているように強く思う。
 そしてもちろん、絵である。多分クレヨンで描かれたであろう、ほんわりと温かい、味わい深い絵の数々。今見ると、かなり実験的な試みもなされていて、けっこう興味深い。いいなあ〜。
 さすがに36年間も、多くの人々に愛され続けた絵本だ。絵本の古典のひとつですね。未読の人は(大人も子どもも)ぜひ読むべし、です。

(写真は、くつろぐ我が家のクマたち。うさぎではありません。2006年12月2日撮影)