ヴェネツィアで最も有名な美術館と言えば、やはりアカデミア美術館Gallerie dell' Accademiaだろう。
とはいいながら、ヴェネツィアの風景には心惹かれながらも、ルネサンス〜バロック期のいわゆるヴェネツィア派絵画にあまり興味がなかった私は、ここに来たのは一度だけ、英国留学中の17年前だけであった。その後ヴェネツィアには2回来ているが、「一度観たからもういいや」と、どちらのときもアカデミア美術館は華麗にスルーしたのであった(笑)。
歳を重ねるとともに嗜好も変化し、あるいは許容範囲が広がり(前ほど頑なではなくなったとも言う)、今改めて行ってみると、もしかしたら違う発見や楽しみがあるかも知れないなと思い、今回久々にアカデミア美術館を訪れてみたのだった。
いや、もともとジョルジョーネの謎めいた絵画「嵐」はものすごく大好きだし、ティツィアーノやティントレットの絵画も好きだ。でも今観れば、カナレットやティエポロのクソ面白くない絵でも違った見方ができるかも。さらに、まったく知識がないカルパッチョやベッリーニ兄弟について何が知ることができるかもしれない。
美術館に来てみると、現在外観および内部の大規模な改装工事中で、3分の1くらいのギャラリーが閉鎖されていた。しかも、なんだか暑苦しい。空調があまり効いていないのだ。修復中で開いているギャラリーや作品の配置が頻繁に変わるだろうから仕方ないのかもしれないが、館内の案内マップが配布されないのもバツ。全体にあまりやる気やホスピタリティを感じない。そんな環境ではあまり作品を楽しめるわけもなく、こちらも飛行機疲れがかなり残っていたので、あまり長居しなかった。やっぱりカナレットやティエポロの作品はクソ面白くなかった(笑)。それでも、大好きなジョルジョーネの「嵐」をじっくり観られたのは良かったかな。改装工事が終われば、いくらかは快適なミュージアムになってくれることを期待しよう。
- Gallerie dell'Accademia
- えっ、これがオフィシャルサイト? ずいぶんしょぼいサイトだな〜。とてもヴェネツィアを代表する美術館の公式サイトとは思えない。言語もイタリア語だけだし……。
(右上の写真は、アカデミア橋Ponte dell' Accademia)