17世紀オランダの隠喩

studio_unicorn20080830

真珠の耳飾りの少女 豪華プレミアム限定版 [DVD]真珠の耳飾りの少女 通常版 [DVD]
 夕食後、妻と映画「真珠の耳飾りの少女」"Girl with a Pearl Earring"のDVDを観る。このDVDを観るのは、もう何回目だろうか。とても大好きな映画だ(2006年3月29日の日記2006年9月18日の日記参照)。
 先日「ウィーン美術史美術館 静物画の秘密」展を観て以来(8月17日の日記参照)、どうにも17世紀オランダ絵画への興味が私の中で再燃してしまったらしく、ものすごくこの映画を観たくなったのだ。
 いやあ、何度観ても楽しめる映画だ。ひとつひとつのシーンが、いちいち当時のオランダ絵画を切り取って持ってきたかのような、素晴らしく美しい映像の数々や、もの悲しく奏でられる音楽を堪能しつつ、見るたびに新たな発見があるような味わい深さもある。今回観て思ったのは、コリン・ファースColin Firth演じるフェルメールと、スカーレット・ヨハンソンScarlett Johansson演じるグリートの、非常に暗喩に満ちた、微妙でエロティックな関係だ。ひとつひとつの仕草に込められた、すんごい"じらし"と暗喩が、この2人の実際の行動以上に、内面を雄弁に物語っている。とても"深い"物語だな、と改めて感じた次第だ。

(写真はオランダではなくて、昨年訪れたヴェネツィアの大運河。2007年7月8日撮影)