スカヨハがクマにキレたワケ

studio_unicorn20090110

 朝、妻と自転車で下高井戸に行き、下高井戸シネマにて映画「私がクマにキレた理由(わけ)」"The Nanny Diaries"を観る。

Nanny Diaries

Nanny Diaries

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 開映時間は朝10時10分。下高井戸シネマでモーニングショーを観るのはこれが初めてだった。週末になるととたんに起きるのが遅くなってしまう我々だが、観たい映画だったのでがんばって起きてやってきたが、その甲斐あって(?)面白い映画だった。典型的なアメリカン・コメディなのだろうが、楽しく観ることができた。
 主演の、スカヨハことスカーレット・ヨハンソンScarlett Johanssonの演技が良い。ホントに演技達者になったなあ。プログラムには、彼女のこのコメディ映画の演技がこれまでとは違う新境地、みたいに書かれていたけれど、彼女には「タロットカード殺人事件」の前例がちゃんとある(2008年3月1日の日記参照)。ウディ・アレン監督のあの映画での、彼女のズッコケ演技ぶりはなかなかのものだったから、この映画でのコミカルな演技も全然違和感なし、でした、私としては。
 ニューヨークの上流階級の育児を支える(?)"子守"という職業を通して米国の格差社会を浮き上がらせる、という側面もあるのだろうが、映画の主眼はスカヨハ演じる主人公アニーの「自分さがし」。人類学専攻の学生だったアニーの視点で、その人類学的観察レポートの形で物語を"くるむ"のが面白かったし、映像などの演出も凝っていた(スミソニアンジオラマが効果的に使われていた)。音楽も民族楽器やエスニックなリズムを多用して、物語の「人類学リサーチ」感を演出している。
 この映画を観ながら、スカヨハのコメディとして前出の「タロットカード殺人事件」を、同じNYを舞台にした仕事コメディとして「プラダを着た悪魔」を(2007年3月31日の日記参照)、さらにNYものとして「魔法にかけられて」を(2008年7月19日の日記参照)、随所で思い出した。これらの映画に共通するコメディの楽しさ、人間ドラマの面白さを感じさせる映画でした。しかしNYでは、お金のあまりない若者たちでも、等身大にお洒落な暮らしかたをしているなあ。そういう細かいところにも注意しながら、もう一度観てみたい映画だ。

(写真は下高井戸から帰る道中にて撮影)