わが心の湖水地方

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ミス・ポター (初回限定生産 特製パッケージ) [DVD]
 妻と一緒に下高井戸シネマに行き、映画を観る。今年最初の下高井戸シネマ、いや今年最初の映画館で観る映画だ。
 観た映画は「ミス・ポター」"Miss Potter"。ピーターラビットなどの絵本の作者としてお馴染みの英国の作家、ビアトリクス・ポターBeatrix Potterを描いた物語だ。
 見逃さずに済んで、本当によかった。いやあ、すごくいい映画だった〜。下高井戸シネマよ、ありがとう。
 なんといっても、世紀末のロンドンや素晴らしい湖水地方The Lake Districtの風景、古き良き英国の都会や田舎の映像がこれでもかとスクリーンいっぱいに映し出されて、それだけでも、この英国好き・ロンドン好き・英国の田舎好きで湖水地方と歴史ものも大好きな私のハートをわしづかみにするのに充分だ。
 それだけでない。生粋の米国人なのに完璧なキングズ・イングリッシュを駆使するレニー・ゼルヴィガー(レネー・ゼルウィガー)Renée Zellwegerの誠実な演技は、品格があって清楚だが意志の強いミス・ポター像を作り上げていてよかったし、彼女を担当する編集者で悲劇の恋人ノーマンを演じるユアン・マクレガーEwan McGreger(この人はホントいろんな役ができる人だねえ)も、不器用だが親しみやすい人間像を演じつつ、なおカッコイイ。
 そしてさらに、ビアトリクスが描く、水彩画のピーターラビットやアヒルのジマイマが、時折紙の上で動き出したりする。こんな控えめな特殊効果の演出も、この美しくも悲しくもある物語にドリーミーな彩りを与えていて非常に良かった。映像的な演出もすごく良いし、控えめで品のよさを感じさせる(クラシカルであるとさえ言えるかもしれない)ストーリー運びも、かえって今観るとすがすがしくて好感が持てる。ホント観てよかった。
 DVD購入決定だな。もう何回か観てみたい。あの湖水地方の風景だけでも。というか、この映画観て、またものすごく英国に行きたくなってしまった……。ロンドンも湖水地方も。

(写真は、ポターが暮らした英国・湖水地方ヒルトップ農場にて。2002年7月1日撮影)