ジャケから楽しみ

No Line on the Horizon (Jewl)No Line on the Horizon (W/Book) (W/Dvd)
 3月に発売されるU2の新譜"No Line On The Horizon"の詳細情報が本日、解禁になったのだが、ニューアルバムのジャケットアートワークに、なんと杉本博司氏の作品が、しかも私の大好きな"Seascapes"(海景)シリーズの作品が使われているらしいと知って、大興奮。画像で見る限りはものすごくミニマルでカッコイイ! めっちゃ私の好みのジャケデザインだ。これは、俄かに欲しい気持ちが高まってきたぞ。
 しかし、U2のアルバムジャケといえば、これまで一貫してアイルランドの写真家アントン・コービン氏Anton Corbijnによるアーティスト自身の写真、というのが不文律のようになっていたから、コービン氏の写真でないうえに彼らの写っていない写真作品(しかも既成の作品)をジャケットに採用したというのは、どういう意図の下になされた選択なのだろうか。このアルバムはこれまでと違うという意思の表れか、それともアルバムの楽曲が杉本氏のこの作品に通低していると感じられたのか、あるいはこの作品からインスパイアされたのか(だとすればすごくミニマルでアンビエントな音になっているのかな。それはそれで超期待だが。少なくともアルバムタイトルはこの作品から採られているようだ)、単純に彼らが杉本氏の作品のファンなのか。別にU2とコービン氏とが仲違いした、というわけではなさそうだ。その証拠に、この新譜にはコービン氏による写真や動画も多数含まれるらしい。やはり、これまでのU2のアルバムとは違う、ということの表明なのだろう。
 前作"How to Dismantle An Atomic Bomb"は1曲を除いて本当に素晴らしいアルバムだった(2007年5月16日の日記参照)が、ジャケデザインだけはイマイチ好みではなかった(あの赤色は要らないよなあ)。今度のはこんな素晴らしいジャケなのだから、当然中身の楽曲にも期待がかかる。早く聴いてみたいものだ。
 ちなみに、私が2005年に森美術館で観た杉本博司氏の回顧展については、2005年9月16日の日記を参照のこと。