言語とは、または八丈語のこと

studio_unicorn20090222

 一昨日の、朝日新聞夕刊の記事で読んで初めて知ったのだが、世界で2500もの言語が消滅の危機に瀕しているらしい。
 ユネスコが2月19日に発表した調査に基づいているらしいが、さしずめ「言語のレッド・データ・ブック」といったところか。その中でも538言語が「極めて深刻」のレベルに達し、さらにそのうち199言語は「話し手が10人以下」とのこと。
 「10人以下」! 想像もつきません。通常の一戸建てに住む家族だと、両隣とお向かいさんを加えると10人を超えてしまうだろうが、そのくらいの範囲でしか通じないことばが、世の中に199もある!ということのほうが、青天霹靂の驚きだ。仮に今使っているこの標準日本語が、向こう三軒両隣くらいでしか通じなくなってしまったとしたら……。なかなか恐ろしいものがあるな。
 確かに、ことばは生きている。過去に滅びた言語は数知れず、だろう。ことばを失うということは、その民族なり集団が、文化を失い、アイデンティティを失うことにも繋がる。滅びた民族は、ことばも滅びる。今、この世界で「言語」を守ることは、すなわち全てが米国化してしまうグローバリゼーションの波に、力強く棹差してゆくことに他ならない。
 それにしても、日本国内でも8つの「言語」が危惧種に入ったそうだ。方言として認識されることも多いようだが、記事中に一覧表示されているあいさつ言葉だけを見ても、これは確かに方言の域を超えて、それぞれが「言語」だよ。そう言わざるを得ない。日本は単一言語の国ではない、あるいは、世界は少しずつ「方言」で繋がっている、とも言える。
 そして「八丈語」! スミマセン、私は八丈島に固有の言語があることを、寡聞にしてまったく知りませんでした。東京都内にも、もうひとつ「言語」があったのか〜と新鮮な驚き。しかも大島や三宅島でなくて八丈島。へえええ〜。どういう成立過程があったのか、非常に興味をそそられるな。

(写真は昨日、世田谷の羽根木公園にて撮影)