国境線を越えて、永遠に

川村かおり ベスト・コレクションK(初回限定盤)(DVD付)
 ミュージシャン・川村カオリさん(川村かおりさん)の訃報に接し、強い衝撃と深い悲しみに包まれる。
 数年前に一度治療した乳癌の再発、闘病しつつ音楽活動を最後までやめないで、渾身のアルバムを発表しての最期。
 享年38歳。悔しすぎる。早すぎる。
 深く、深く、ご冥福をお祈りします。
 大学時代の後半、どれだけ川村かおりさん(当時は平仮名表記=本名を名乗っていらしたので、どうしてもこう書いてしまう)の曲を聴いたことか。英国留学中ヨーロッパの大地を駆け巡ったあとで日本に帰り、目の前の地を這うような現実に翻弄されていたときに、どれだけ彼女の歌に心惹かれ、その歌詞に、メロディに力をもらったことか。
 最初に聴いて、今でも一番好きな川村カオリさんのアルバムは、それまでのベストと新曲を収録した初期の集大成盤「CHURCH」。有名なデビュー曲でエコーズの名曲をカヴァーした「ZOO」やヒット曲「神様が降りて来る夜」「愛をあげたい」はもちろん、「翼をください」「三日月に腰かけて」などなどが収録されたアルバムで、全部の曲が大好きだが、中でも私が特に大好きなのが「僕達の国境」。留学から帰国した当時だったので、聴くたびにあの大地へ還ってゆくような想いがしたものだ。
「国境線を越えて 今すぐ会いに行くよ」
 川村カオリさん、素敵な曲の数々をありがとうございます。安らかにお休みください。最新アルバム、聴くのがちょっと怖くて手に入れていなかったけれど、必ず買います。