あの時代の遺産

Ost: Tron Legacy
 本日、ようやく映画「トロン:レガシー」"TRON Legacy"をTOHOシネマズ六本木ヒルズにて観てきた。
 以前から前売り券(3D鑑賞券とかいうヤツ)は購入してあったのだが、作品展やら体調崩しやらドタバタしているうちに、どうも人気がなかったようで上映が次々と終わっていってしまった。やっていうるちに観ねばと焦って、なんとかこの週末まだ上映していた六本木ヒルズで滑り込み鑑賞?できたのだった。観ることができてホッ。
 とにかく映像が美しい。ストーリーやアクションもけっこう面白く観たが、なんといってもあのコンピュータ・ワールドの街並や建物や乗り物や衣装やらの造形・デザインが素晴らしくて、それだけでずーっとこの映画を観ていたい気になってしまう。物語の進行を追うよりも、この美しくデザインされた世界を隅々まで見せてほしかったな。それを見るだけでも、もう一度この映画を観たいかも。
 でも、別に3Dでなくてもこの映像の美しさは損なわれなかった気がする。これまでに3D映画を何本か観てきたが、正直言って、3Dであることに大きな意味を感じたのは「アバター」だけでした。この映画にしても、2Dであってもあの広大なコンピュータ・ワールドの大きさや無限の広がりは充分に感じられたと思うし。
 ダフト・パンクDaft Punkによる音楽も素晴らしい。私はサウンドトラック盤をひと足先に入手して聴いていたのだけれど、フレンチ・エレクトロの大御所が手がけるサントラなのでもっとバリバリに「ディスコ(死語)的」かと思っていたら、意外にもオーケストラをけっこう多用して、かなり正統的な劇伴曲が占めていたが、もちろん正統的な映画音楽も大好きな私には大歓迎。非常にエモーショナルで哀愁漂うトラックが多くて、グラフィカルで無機質な映像に却ってよくマッチしていた。
 映画を観終わって映画館のロビーに出てみると、内装がいかにもトロン的なのに気づいた。まだ映画の世界の中にいるような錯覚(笑)。20年以上前に公開された最初の「トロン」は興行的には失敗だったかもしれないが、ヴィジュアルやデザイン(グラフィカルなものだけでなく建築とか都市デザインでも)における影響力は非常に大きかったのではないか。今回の新作で改めてそう思った。