R. I. P., Gary... In the Empty Rooms

VICTIMS OF THE FUTURE-REM
 アイルランド出身のハード・ロック・ギタリスト、というより「永遠のギター小僧」、ゲイリー・ムーア氏Gary Mooreの訃報を知り、ショックを受ける。
 享年58歳、休暇先のコスタ・デル・ソルでの突然の死だったらしい。
 最近はブルースや打ち込みに傾倒していた時期もあったようだが、私が大学時代に、心の中の隙間を埋めるように聴きまくっていたゲイリー・ムーアは、やっぱりハード・ロックの人だったな。それも骨太の、ワイルドでヘヴィーなサウンドの。
 といってもまともに聴いたことがあるアルバムは"Victims of the Future"(「炎の舞」)ただ一枚きり。こればっかり、しかもそのうちの4曲だけ(大学時代にFMラジオでエア・チェックした曲)を、実際のアルバムの曲順と違う順番で(これもそのラジオでかかった順番)、学生の頃の暑い真夏の夜に馬鹿みたいに繰り返し聴いていました。
 すなわち"Murder in tghe Skies"、"Hold on to Love"、"Victims of the Future"そしてバラードの名曲として名高い"Empty Rooms"の4曲を、この順番で。アルバムにはもっと“軽い”曲も入っているのだが、私が好きなのはシリアスで哀愁漂う曲ばかり(笑)。
 刷り込みってのは恐ろしいもので、この順番でないとしっくり感じなくなってしまった。時に咆哮し、時にむせび泣くゲイリーのヴォーカルとギターをじっくり堪能した後に、極めつけの哀愁たっぷりな"Empty Rooms"で、せつない気持ちにどっぷりと浸って聴き終わる。今聴いても、切なさと懐かしさで胸がいっぱいになる。にしても、この4曲以外ほとんどまともに聴いたことがないので、かなりいびつなファンでした(笑)。
 というわけで、今夜はこの4曲を、特に哀悼の思いを込めて"Empty Rooms"を聴き続けよう。
 R. I. P.