「出会い」の愉しみ〜東京蚤の市

 

 東京・立川市国営昭和記念公園ゆめひろばで開催された「第19回東京蚤の市」に行ってきた。

 東京蚤の市もこのところ開催ごとに行っており、すっかり最近の私たち夫婦の恒例行事になってきた感がある。

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 「アンティーク」よりも「ブロカント」。古美術や伝統工芸の領域に繋がる骨董の品々をじっくり見るのはとても楽しいし、何より年月を重ねたものだけが持つ重みをじっくりと堪能する悦びはとても深いと思う。だが、骨董品はどうも向き合うのに襟を正してしまうことが多い。そして自宅に迎え入れるにもかなり二の足を踏んでしまうような、手の届かないお値段のものがほとんどだったり。まあもちろん、本気で我が家に迎え入れたくなるような骨董品にいまだ出会えていない、というのが大きいとは思うが。

 それよりも、たとえ骨董的な価値は乏しくても、庶民の暮らしの中で年月を重ねてきた食器や家具、雑貨などの「古道具」のほうに、より身近なものを感じる。名もなき人々が日々営々と繰り返し、積み重ねてきた暮らしや営みの温もりが伝わる「古道具」たち。年を重ねた枯れ具合などの風合いや独特な存在感、レトロな風情などの様々な魅力。値段も手に届きやすいものが多く、工夫次第で日々の生活の中に取り入れやすいことも、古道具の魅力だ。

 

 

 そんな古道具との「出会い」を求めて、いつからか年2回開催の、この東京蚤の市に足を運ぶようになった。コロナ禍による2年半もの中断をくぐり抜けて、昨年6月にめでたく第17回が開かれて復活し、以後は順調に回を重ねている。会場も国営昭和記念公園内の、この「ゆめひろば」ですっかり定着した感じだ。ここは広々と開放感に溢れた空間で、晴れた日は最高に清々しく気持ちがいい。以前の会場だった京王閣はやたらと入り組んでジメジメと薄暗いところが多く、私はあまり好きではなかったので、会場としてはこちらの方がはるかに良いと思っている。

 最近の開催日程は金曜日から日曜日の3日間が多く、これまでは私たちは週末の混雑を避けて初日の金曜日に行っていた。今回もそのつもりで、かなり早くから6月2日(金)の入場券をオンライン購入しておいたのだが、その当日は関東地方に線状降水帯が頻発して記録的な大雨になってしまい、あえなく開催中止に。入場券は残りの2日間のどちらかの入場券として使えることになったので、気を取り直して最終日の6月4日に行ってきた次第。

 

 

 この日は朝からすっきりと青空が広がり、まさに蚤の市日和。しかも午後はいい感じに薄雲が広がって、陽射しを浴び続けて身体が必要以上に消耗するのを防いでくれた。お天道様に感謝だ。

 昼前に入場してから終了時刻の5時まで、あれやこれやに盛大に目移りしつつ、たっぷりと蚤の市の魅力を堪能。古道具やクラフトにドライフラワー、食べ物に飲み物や豪華アーティストのライブパフォーマンスまで。もちろん、東京蚤の市の広大かつ多岐にわたる内容の全てを味わい尽くすのは到底不可能なので、終わった端から早くも「次は今回見られなかったアレを…」なんてあれこれ考えてしまう。それもまた、このイベントの魅力だ。

 

 

 次の第20回は、今年2023年の11月2〜4日に、同じ昭和記念公園ゆめひろばにて開催予定。金曜日も祝日なので、さてどの日に行くとしようか。

 

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↑東京蚤の市を主催する手紙舎のオフィシャルサイトです。

 

(2023年6月7日投稿)