「義経」

NHK 大河ドラマ「義経」音楽絵巻(オリジナル・サウンド・トラック)
 普段、天気予報以外ほとんどテレビを観ない私たち夫婦だが、今年の大河ドラマ義経」は今のところ続けて観ている。
 幼い頃から私の実家では、日曜日の夜8時は大河ドラマと決まっていて、家族全員で観ていたものだ。私の記憶があるところでは、「獅子の時代」「黄金の日々」あたりから(それ以前のも、ほんの断片は覚えていたりするが)。特に、ちょうど小学6年生で初めて日本の歴史を教わった時の「草燃える」は、けっこう覚えていたりする。
 それ以来その習慣は続き(わが両親もいまだに大河ドラマを観続けている)、「おんな太閤記」「徳川家康」「独眼竜政宗」「武田信玄」「太平記」など、素晴らしい番組を楽しんできたが、次第に最後まで観続けられるものが少なくなっていった。
 最後にちゃんと観たのは「北条時宗」かなあ。そのあとの3年くらいは特にひどくて、1、2回だけで観なくなってしまっていた。だってあまりにひどいんだもん。「利家とまつ」も「武蔵」も「新撰組!」も全然面白くなかった。奇をてらいすぎ。
 そんなわけで「義経」もあまり期待せずに観たのだが、なんというか、実に大河ドラマらしいドラマ作りが好感が持てた。まあ、義経という題材そのものがすでに"王道"なわけだけれども、変に奇をてらわず、史実に忠実になりすぎずに、かといって離れすぎずに、「面白い歴史ドラマ」を素直に作ろうとしている姿勢がとても良い。つなぎの回を作らずに一話ごとにちゃんと面白く観れるのもマル。歴史のうねり、主人公とそれを取り巻く大勢の人間たちが織り成す群像ドラマ、愛と宿命……いやあ、歴史ドラマですねえ。
 義経を演じる滝沢秀明は、セリフ回しこそいまいちだったりするものの、なんといっても殺陣などでシャープな立ち回りを演じられるのが強みだと思う。あんまりしゃべらなくていいから、どんどん派手に動き回ってほしいですね。そういえば、義経が山法師から武芸を習うシーンは「スター・ウォーズ」のジェダイ騎士の訓練を彷彿とさせたし、また義経が東北への旅の途中で次々と郎党(家来)を増やしていく辺りは、ロールプレイングゲームみたいだなあと思ったりした。ちゃんと現代的な(?)要素も織り込まれているのですね、感心。
 今夜は前半の山場でもある、平清盛が死ぬ回だった。義経と縁が深く、また新しい国を作る夢と希望に満ちた清盛、というのは今まで観たことがなかったので新鮮だった。渡哲也が演じていたのでかっこよかったしね。清盛が死ぬと、いよいよ義経が歴史の表舞台に出てくることになるので、今後が楽しみ。派手な展開になるといいな。
 壮大でかっこいいテーマ曲もすごく気に入ったので、サントラCDを買ってしまいました。テーマ曲のエクステンデッド・バージョンが入っているのがとてもイイです。