ようやく金木犀

studio_unicorn20051004

 今日、ようやく金木犀の香りを感じ始めた。これで、本格的な「秋の到来」だ。秋の味覚はもうけっこう味わったが、「秋の嗅覚」といえば、まずはこの金木犀の花の香りだろう。
 例年ならば金木犀のことは全然頭になくて、ある日突然、甘い香りが街を満たしているのに気づくのが普通だった。その圧倒的な香りが鼻腔を存分にくすぐって、はじめて花そのものの存在に気づく、というような。
 それが、今年は珍しくかなり前から「そういえば金木犀はまだかな」と気にかかっていた。ようやく、例年よりはむしろ控えめに感じるその香りが漂ってきたので、なぜかホッとしたくらいだ。
 考えてみると、金木犀ほど、花それ自体よりもその香りで存在感をアピールする花はないように思う。花の見た目は小さくて目立たないといっていいくらいなのだが、その香りのほうは、誰もが感じる強く甘い香り。でも上品でいやみのない香り。私は金木犀の香りが街を満たすこの季節が大好きだ。これから数日の間は、この甘く優しい香りを心ゆくまで楽しもうと思う。
(写真は、昨年の10月に撮影した金木犀。こうして見ると、金木犀の花もなかなか可憐で美しいものだ。)