京都3日目・三十三間堂

 京都国立博物館七条通をはさんで向かい側にあるのが、千一体の千手観音像で有名な三十三間堂である。実は私はここには行ったことがなかったのだが、杉本博司氏が千一体観音像を撮影した作品"Sea of Buddha"を観て以来、ちょっと気になっていたのだ。というわけで、「大絵巻展」のあと、昼食をはさんでここを訪れた。
 さすが観光名所だけあって拝観者の数も多く、流れ作業的にはいはいはいって感じで堂内へ(笑)。120mの長いお堂にずらずらずらーっと並ぶ千手観音像はさすがに壮観。よく見ると、一体一体顔の形やら表情やらが異なっている。面白い。中央には千手観音の巨像がボス然と鎮座しており、その大きさと存在感に圧倒される。
 さらに、インド神話に由来する神々「二十八部衆像」の彫刻も素晴らしい。一体一体が非常に特徴的で、かつ生き生きとしている。闘神あり、鳥の姿あり、蛇を使う姿あり、楽器を持つものや老婆の姿の神あり。観ているだけで伝奇小説の世界に入ったような気がして、すごく面白い。高校の時の修学旅行で行った、奈良の興福寺の国宝館でも同じようなインド系の神々の像があり、似たような面白さを感じたのを思い出した。もっとじっくり調べてみたいですな、この神々。