いくつになっても、世の中は知らないことや気づかないことのほうが多いということに、時々気づかされる。歳を重ねるごとに世界の広さ・深さを実感することしばしばだ。
今日、ある情報源から「佐々木丸美」さんという作家の名前を初めて知った。すでに他界されている方だそうだが、独特の文体で不思議な世界を持つ数々の小説を書き、熱烈なファンが多いそうだ。特に熱心なファンは「マルミスト」と呼ばれているらしい。寡聞にしてまったく知らなかった。
佐々木さんのすべての本が絶版になっており、熱心なファンが中心になって、熱烈な復刊運動がなされ、ようやく昨年末からブッキングと東京創元社(創元推理文庫)の2つの出版社から刊行が始まったとのこと。
それほどに人々を惹きつける佐々木丸美さんの小説世界とはどんなものだろうかと、さっそく書店へ行ってみる。映画化もされた「雪の断章」(ブッキング)とミステリー色が強い「崖の館」(創元推理文庫)とどちらを読んでみようか迷った。が、「崖の館」のカバーイラストを、私が気になっている牧野千穂さんが描いているという理由で、こっちを購入した。さてさて、読むのが楽しみである。