初めてのDLP

studio_unicorn20071123

【初回限定生産】『ブレードランナー』製作25周年記念 アルティメット・コレクターズ・エディション(5枚組み) [DVD]
 3連休の初日は、よく晴れていてくっきりとした青空が気持ちいいが、日中からとても寒い。
 妻と新宿に行き、初めて新宿のシネコン新宿バルト9」で映画を観る。めったに新宿で映画を観ることがない我々夫婦だが、この「新宿バルト9」で、来月DVDが発売される「ブレードランナー ファイナル・カット」"Blade Runner: The Final Cut"を、11月30日までの期間限定で上映しているのだ。この映画に非常に思い入れが強い私としては、当然見逃すわけにはいかない。上映は東京と大阪それぞれ1館のみ、東京の上映館はこの「新宿バルト9」だけ、というわけだ。
 しかも今回の特別上映、フィルムを使わない「DLP」、いわゆるデジタル上映とのこと。一度ぜひDLPで映画を観てみたいと思っていたので、さらにいい機会だった。
 ということで観たわけだが、久しぶりの大スクリーンで観る「ブレードランナー」への深い深い感慨(これだけでももちろん充分だが)もさることながら、DLPならではの鮮明な映像がものすごい。いい悪いは別にしても、聞きしに勝る映像の鮮やかさ・細やかさだ。まず初っ端のオープニング・クレジットの文字を見て、腰を抜かしそうになった。フィルム上映だと文字の輪郭が微妙ににじんでいるうえにフィルムを重ねるゆえのチラつきが出るものだが、それが全くない。輪郭のくっきりとした文字が、少しもチラつかず微動だにせずに映し出されているのだ。そしてそのあとに現れる、ダークな未来都市の映像の鮮やかなこと! とても25年前の映画をリマスタリングしたとは思えない。全く別の、出来たばかりの新作を観ているかのような新鮮さだ。DLP上映の威力を文字通り「見せつけ」られました。
Blade Runner Trilogy - O.S.T. (Aniv) (Dig)
 さらに、音響のほうも、多分新たに設計しなおされたのだろう、素晴らしく迫力に満ちた音響。ヴァンゲリスVangelisのあの限りなく懐かしい音楽も、新たな感動を伴って耳に響く。単なる懐古主義だけではない、新鮮な感動が味わえて、本当にわざわざ観に行ってよかったと、心の底から思った。もちろん来月になればDVDが手に入るのだが、やっぱり「ブレードランナー」の醍醐味は大スクリーンで味わうのが一番だ。
 それにしても、「スター・ウォーズ」と並んで最も後世のクリエイターたちに影響を与えた映画である「ブレードランナー」だが、私個人にも計り知れない影響を与えた映画だったなと、改めて再確認した思いだ。私がロングコートが大好きなのも、きっとこの映画のせいだろうな(常に雨が降っているという設定なので、登場人物はほとんどいつもロングコートを着ている)。

 やっぱり映画を観てしまうと、そんなに興味を感じなかった来月発売予定の3枚組サントラボックスも、俄然興味をましてくる。1枚目がちゃんとリマスターされているかどうかと、3枚目(ヴァンゲリスが新たに作った新曲らしい)のヴォイス・クレジットが非常に不安(純粋に音楽を聴きたいので、話し言葉をかぶせたりとかしないでほしいな)なのだが、やっぱり買ってしまうかなあ。

 映画はひとつしかないのに、なぜか"Blade Runner: Trilogy"となっているのがけっこう笑えるのだが……。
(写真は、タイレル本社……ではなくて、夜の伊勢丹新宿店の外壁)