京都2日目・緑に囲まれて

 「カフェ ノイナー」を出て、さらに加茂川沿いを北上。上賀茂神社へ。
 下鴨神社は以前に行ったことがあるが、こちらは来たことがなかった。せっかく北山通まで来たので、ちょっと行ってみようと寄った次第。朱塗りの本殿はあまりピンと来なかったが、境内のそこかしこに、いい感じに古びた風情の建物があるのが気に入った。随所にかけられた注連縄や幣、榊の枝などが"神域"を感じさせる。

 2週間後の葵祭のときは、さぞここも賑わうのだろう。

 上賀茂神社を出て、再び北山通へ戻り、通り沿いに東へ。バブル期には最先端のお洒落なエリアとして賑わった界隈だそうだが、今や時代に取り残された、どこか"空虚"な雰囲気を漂わせている気がする。
 右手に「京都府立植物園」、その隣の「陶板名画の庭」が見えてくる。面白そうなので入ってみた。
秘密の京都 京都人だけの散歩術

 先に入った「陶板名画の庭」は、安藤忠雄さんの設計によるものだそうだが、入江敦彦さんが「秘密の京都」の中で指摘しているように、北山通の空虚さを象徴する最たるもの、という感じだ。訪れる人がほとんどいなかったのも、ここの不思議な非現実感を強めている。建築自体はその現実離れしたミニマルさがけっこう面白かったものの、飾られている陶板が、古今東西の名画の再現、というのが陳腐で気に入らん。オリジナルの作品でよかったのに。

 それから、隣の「京都府立植物園」に入る。ここは、ずばり「くつろぎの空間」だ。植物好きなくせにあまり植物園に行ったことがない私だが、旅先でもわざわざ入場料(たった200円だが)を払って入った甲斐がある。のんびりとして、とてもいい。広大な敷地内にめぐらされた林道や庭園をゆっくりと歩きながら、花や植物を眺める。とても居心地のよい空間だ。さりげなく手入れが行き届いている感じがする。
BRUTUS (ブルータス) 2008年 2/1号 [雑誌]
 「BRUTUS」の植物園特集号にも紹介されていた巨大な温室には、既に閉館を過ぎていたので入れなかったが、その温室の建物の造形がとても面白い(下の写真)。思わず、「宇宙空母ギャラクティカ」なんてのを思い出した。今にも発進しそう(笑)。

 さぞ、「市民の憩いの場」として親しまれているのだろうな。東京にもこういう空間が身近にあればいいのに。