物語の終わり

studio_unicorn20080806

「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻)
 J・K・ローリング著「ハリー・ポッターと死の秘宝」"Harry Potter and the Deathly Hallows"日本語版を、本日読了。
 昨年、既に原書で一度読了していたので(2007年7月19日の日記参照)、物語はもうわかっていたのだが、やはり読了すると、胸に染み入る万感のラストでした。第1巻(日本語版)を読んだのが1999年。長い道程だった。1巻の発売時にハリーと同じ11歳だとしたら、今やもう成人間近ということになるな。英国では18歳成人だし魔法界では17歳成人のようだから、もう成人になっているか。
 日本語版での再読は、原書では読みきれなかった細かい部分に気をつけて読んだつもり。それにしても、7巻全体に渡って張り巡らされた伏線が見事に生きているのには、「お見事!」のひとことだ。
 このハリー・ポッター・シリーズに限らず、長い物語を終えると決まって、はるばるここまで来たという到達感・達成感と同時に、もうあの物語の世界には行けない、あの世界のその後を見ることができないという、寂寥感のようなものを強く感じる。心地よい寂しさと言うべきか。この寂寥感を味わいたくて、私は好んで長い物語を読むのかもしれない。

(写真は、ロンドン・テムズ河畔。2002年7月2日撮影)