スープの目ヂカラに脱帽

本日のスープ
 ネコ好きである。
 なのだが、巷にこれだけネコ本が溢れると、却ってあまり食指が動かなくなる天邪鬼な私だ。たしかに「まこ」とかはとても可愛いと思うのだけれど、「ねこ鍋」に至ってはやり過ぎ感ばかり先に立ってしまい、全然いいと思わない。別に鍋に入れるまでもなくネコは可愛いと思うぞ。
 ところが本日書店で、とんでもなく個性的なネコ本を見つけてしまい、さすがの天邪鬼な私も一目惚れ。即購入してしまった。
 大久保ゆう子さんの「本日のスープ」だ。
 まず表紙の黒猫スープの“目ヂカラ”がものすごい。ぎょろっとした、あり得ないくらいに大きい、ビー玉のような目。まるで耳のある海坊主のようなその写真に、気の弱い子供などは怖がって逃げてしまうのではないかと思うほど。凡百の“にわかネコ好き”を拒絶するかのような目ヂカラだ。
 でもページをめくると、そんな大きな目のスープの可愛らしさ全開な写真がいっぱい。見れば見るほど可愛いくなってくる。写真がすべて味のあるモノクロ写真なのもとてもいい。ブログ発でないらしいのも好感が持てる。決して一般受けする可愛らしさではなく、ぎろっと大きな目のスープのありのままを写した、愛らしさ・いとしさが伝わってくる。
 なんとも素敵なネコ写真本。この年末年始は、スープを眺めて過ごすことになりそうだ。