ホルテンさん

studio_unicorn20090320

O'Horten
ホルテンさんのはじめての冒険 オリジナル・サウンドトラック
 朝は雨が降っていたが急速に天候は回復し、昼過ぎにはすっかり晴れ上がった。気温も上がりかなり暖かい。夕方からは強い風が吹きはじめて、かなり寒くなったが。
 午後遅くに妻と渋谷に行き、Bunkamuraル・シネマにて、映画「ホルテンさんのはじめての冒険」"O' Horten"を観る。
 ノルウェーベント・ハーメル監督Bent Hamerの作品ということで、ノルウェー大好きっ子の私としてはとても楽しみにしていたこの映画(2月18日の日記参照)、宣伝の雰囲気から心温まる"ほっこり映画"かと思っていたが、それは日本の配給会社による"戦略"だったようだ。実際には、とても穏やかながら、非常に奇妙な味わいのある映画だった。多分、余計な説明を一切せず場面全体を通して"ほんのり"と伝える脚本や、オーヴァーアクションを徹底して排した淡々とした演出のゆえだろう。その淡々とした脚本や演出が、ノルウェーに3回行ったことがある私にとっては、却ってかの国の人々の物静かで穏やかな人柄や質素な暮らしぶりがよくにじみ出ているように思われて、実に好ましく感じられてしまう。それでも、かなりフシギな人々やエピソードが続くのに、ホルテンさんの控えめな佇まいのおかげで、あまりフシギに見えなくなってしまう(笑)。佳作です。
 もちろんオスロOsloとベルゲンBergenを中心に、大好きなノルウェーの映像は満載だ。特に、ホルテンさんが運転士を勤めていたベルゲン急行(オスロ〜ベルゲン間を結ぶ主要線)が、雪原の中を次々とトンネルを潜り抜けて走るシーンの美しさといったら! この映像は美しいだけでなく、人生の潜り抜ける幾つものトンネルという、映画の主題に重ね合わせた意味合いもあるのだろう。
 ノルウェーではかなり活躍しているミュージシャンKaada(カーダorコーダ)の音楽も、映画にあわせた穏やかさと不思議な感じをよく表していて、とても素晴らしい。サントラ買うかな。
 それにしても、映画を観て、またノルウェーに行きたくなってきたぞ。素朴かつ誠実で堅実で、美しい国

(写真は渋谷にて撮影)