桜吹雪

studio_unicorn20090408

 今日もとても暖かく、よく晴れた日だ。
 先週に気温の低い日々が続いたおかげで、今年は長く桜が楽しめる。東京で、4月の、いわゆる"入学シーズン"までしっかり桜が満開でいられたのなんて何年ぶりだろうか。
 私が小学生だった頃は、いや大学生ぐらいの頃でも、東京でも「桜は4月あたまに咲くもの」と相場が決まっていたものだ。この10〜15年くらいの温暖化のせいで、すっかり桜の見ごろが早まってしまったものなあ。今年新入生の子どもたちは、その意味では本当にラッキーだと思う。
 それでも、さすがにここ数日は暖かいので、都心の桜はそろそろ盛りを過ぎようとしているようだ。
 仕事の昼休みに街をそぞろ歩くと、あちらこちらで風に揺らされて、桜の花びらが一斉に散ってゆく。
 高層ビルを背景に舞い踊る、薄桃色の小さき花びらたち。
 これもまた美しい。なるほど、桜は散りゆくとき、その最後の一瞬までも美しいのだ。いや、最期のときこそ最も美しく人々を魅了するのかもしれない。その儚さ、短く限りある寿命を知るからこそ、我々はあの花にことさらに惹かれゆく。その危うさもまた。
 桜吹雪が街を覆う。
(写真は4月5日撮影)