【読了記録】目利きになる

 白洲信哉著『美を見極める力 -古美術に学ぶ』(光文社新書)を読了。

美を見極める力 古美術に学ぶ (光文社新書)

美を見極める力 古美術に学ぶ (光文社新書)

  • 作者:白洲 信哉
  • 発売日: 2019/12/17
  • メディア: 新書
 

  父方の祖父母は白洲次郎白洲正子夫妻で母方の祖父は小林秀雄という、まさに「日本美意識のサラブレッド」とでも呼べそうな血筋を持つ古美術の「目利き」が、その「美を見極める力」を披露する一冊……ではなかったなあ(笑)。題名はあくまで惹句、という程度。当たり前です(笑)。そもそも見極めるべき「美」そのものが、そう簡単に定義できるものではないのだから。

 それよりも、古美術をこよなく愛する著者が、数々の逸品やそれを取り巻く人々を、愛情たっぷりに語る、「つれづれ語り」の一冊として大いに楽しんだ。

 直前に読んだ本が美術品のオークションに関する本だった(2020年5月25日の日記参照)ので、傾向の似た本を続けて読んだことになる。もちろん、これは意図的に続けて読んだわけで、同じ古美術蒐集について全く別々の側面からの見方が窺えて、非常に興味深い読書体験だった。

(2020年6月10日投稿)