人間ドック

 そんなわけで朝食を抜いて人間ドックを受けてきた。毎年思うのだが、もうこりごりだ。一番嫌いな血液採取は永遠に続くかと思い、このまま血を抜かれてひからびてしまうのかとさえ感じられたし、自分の血が噴き出してシリンダーにたまっていくさまを想像しただけで卒倒しそうだった。二番目に嫌いな胃の検査でも、バリウムを飲まされて吐きそうなのに何度も何度も体の向きを変えさせられて、もう死にそうだった。ほとほと疲れ果ててしまった。
京都―The Old and New Guide of Kyoto
 しかし一つだけいいことがあった。検査を終えてよろよろと病院を出て、仕事に向かう前に立ち寄った書店"Book246"で、MOTOKOさんという写真家の素敵な写真集。「京都」を手に入れたのだ。しかも、この本の普及版は赤い表紙なのだが、限定500部のベージュの表紙の、さらに作者サイン入りの本をゲットしたのだからツイてる。人間ドックで青山界隈に来ていなければ、この本に出会うことはなかっただろう。イヤなことばかりじゃなくてよかった。