背中の存在感、うなじの魅力

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Vilhelm Hammershoi 1864-1916: Danish Painter of Solitude and Light (Guggenheim Museum Publications)Vilhelm Hammershoi: and Danish Art at the Turn of the Century
 mixiのコミュニティ情報で知ったのだが、ヴィルヘルム・ハンマースホイVilhelm Hammershøiの日本初の回顧展が今年の9月から、国立西洋美術館で開かれるらしい。うぎゃ〜マジ!? 夢みたいな朗報、超楽しみ! 絶対行く! 二回でも三回でも行っちゃう。
 Vilhelm Hammershøi(26文字アルファベットだとVilhelm Hammershoiになるのか)は19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍したデンマークの画家で、抑えたトーンの色調と、非常に透明感のある写真のようなリアルなタッチが特徴の、静謐な室内画が特に有名。それらの室内画に登場する人物(中でも、彼の仲睦まじい愛妻イダが描かれた作品が多数を占める)は、画面に背中を向けていることが多いのも特徴的だ。そんな室内画は、本当に静謐に満ちて素晴らしい作品ばかり。当時の美術の潮流とかけ離れたHammershøiそのような作品は歴史の中に埋もれかけていて、日本での知名度の低さは先日回顧展がおこなわれたアルベール・アンカー(1月5日の日記参照)よりさらに低いくらいだろう。が、ニューヨークのグッゲンハイム美術館やパリのオルセー美術館での回顧展が成功し、近年デンマークの代表的な画家の一人として急速に再評価の機運が高まっているらしい。国立西洋美術館の素晴らしい先見の明、グッジョブです。きっと日本でも人気が出ると思うんだ、Hammershøiの作品は。
 私がVilhelm Hammershøiの作品に出会ったのはもう20年近く前、大学生だった頃。既に北欧大好きっ子だった私は、セゾン美術館だかで開かれていた北欧美術展を観に行き、そこで素晴らしく静謐なHammershøiの室内画に出会ったのだった。「何この素晴らしい絵は! すごくいいじゃん。"ハンマーショイ"って全然知らない画家だよ。へ〜」などと思いながら、すっかりHammershøi作品の虜になった。が、日本ではそれ以上Hammershøiのことは分からず(当時はインターネットもなかったしねえ)、その後英国留学中に訪れたコペンハーゲンミュージアムで、Hammershøi作品が何枚か展示してあるのに出会えて狂喜したりしていた程度だった。それでは、ようやくHammershøiの作品がまとめて観られるのか。あれから長かったな〜。
 半年以上も先だけれど、今からすごく、すんごく、すんご〜く楽しみだ。
 それにしても、マイナーなだけに、この人の日本語表記はけっこういろいろあるな。ハンマースホイハマスホイ、ハマースホイ、ハマーショイなどなど。私が20年前に知ったときは「ハンマーショイ」だったし。今度の回顧展では、どの表記が使われるのだろうか、

(写真は、湯布院・亀の井別荘にて。2月4日撮影)