クレスト・ブックス10周年

studio_unicorn20080918

その名にちなんで (新潮クレスト・ブックス)冬の犬 (新潮クレスト・ブックス)
 仕事のあと、書店へ。日本の書店に行くのはなんだか久しぶりだ。1週間以上英国を旅行していたんだから、当たり前か。
 文芸書コーナーで、新潮クレスト・ブックスが10周年ということで、最新刊とともに過去の人気が高かった本がけっこう平積みされていた。これは今まで買いそびれていた本を買うチャンスと思い、ジュンパ・ラヒリ氏Jhumpa Lahiriの「その名にちなんで」"The Namesake"と、アリステア・マクラウド氏Alistair MacLeodの「冬の犬」"Winter Dog"の2冊を購入。これを逃すとまた美本を手に入れるチャンスがなかなかなさそうだから、いい機会だった。
 「その名にちなんで」のほうは既に文庫化されているのだが、やっぱりクレスト・ブックスの品格ある装丁で持っていたい。それほどに、私はクレスト・ブックスの装丁は大好きだ。今まで購入したクレスト・ブックスの本も、この装丁あったればこそ、なのだ。この素朴でレトロな風合いの、フランス装の本のつくりが、ヨーロッパの文芸書みたいで非常に好きなのだ。フランス装というのは、本来(フランスなどでは)購入した人が装丁屋さんに持ち込んで、自分の好みで表紙をつけられるようにと、敢えて簡易装丁したもの。であるが、このちょっと古風な装丁そのものが、ヨーロッパの過去の息吹を運んできてくれるような心地になる。
 けっこう読むのに時間がかかる本が多いのだが、新潮クレスト・ブックスにはこれからも注目していきたい。

(写真は、テムズ川の上に浮かぶお月さま。9月13日撮影)