聖と俗の使者たち

studio_unicorn20081026

Annette Messager: The Messengersアネット・メサジェ―聖と俗の使者たち
 気象庁は晴れるとか予報していたくせに、なんだか結局この週末は晴れなかったな。
 午後遅くに、妻と一緒に六本木ヒルズに行き、森美術館で開催中の「アネット・メサジェ:聖と俗の使者たち」展を観てきた。
 アネット・メサジェ氏Annette Messagerはフランスを代表する現代アーティストだが、私が今までに観たことがあったのは、写真を使った作品を何点かだったので、これはまとまってメサジェ氏の作品が観られるいい機会だった。
 それにしても大掛かりな作品が多い。ぬいぐるみや剥製が並び、積み上がり、動き、這いずり回る。写真や書き文字や毛糸が散らばり、集合し、積み上がる。かわいくて不気味で、同時にグロテスク。いろんな意味でインパクトの強い作品群であった。
 展覧会を観て強く思ったのは、メサジェ氏の"身体性"への強い執着、こだわりだ。体の一部やら内蔵やらが、あるいはぬいぐるみで、あるいは風船で、あるいは写真や毛糸で表現され、それが多くの(ほとんど全ての、と言ってもいい)作品に見られる。まるで「アートは身体、アートは生」と強く呼びかけられているようにさえ感じる。私個人としては、ピノキオに題材を取ったという、赤い巨大な布がうねる"Casino"という大作が一番好きだった。

 さてさて、来週の3連休は、満を持して上野に行く予定。国立西洋美術館に行って、今年の大本命ヴィルヘルム・ハンマースホイVilhelm Hammershøiを観てまいります。
(写真は六本木ヒルズ、けやき坂にて)