ディスコ・ウェンズデイ

studio_unicorn20090325

ディスコ探偵水曜日〈上〉ディスコ探偵水曜日〈下〉
 舞城王太郎さんの「ディスコ探偵水曜日」上下巻を、本日ようやく読了。
 上下巻合わせて1,000ページ超。しかも、会話ばかりで余白スカスカの千ページでなく、理屈を捏ね回してぎっしりと文字が詰まった千ページである。長い物語が大好きな私だが、同時に遅読な私でもあるので、読了するのに1か月近くかかってしまった。長かった〜。
 実は、舞城王太郎さんの小説を読むのは、これが初めて。初めてでいきなり「著者最大の長編」(本書内のプロフィール紹介より引用)を読んでしまった(笑)。いや、読み応えありました。
 ディスコ・ウェンズデイDisco Wednesdayyy(スペルミスではありません)という奇妙な名前の、迷子捜し専門の米国人(でも日本語は堪能)探偵が、同居する6歳の梢の体に未来の梢(17歳)の心が侵入する事態をきっかけに、福井県の謎の丸い館での奇妙な連続死事件に巻き込まれる。上巻はわらわらと登場する奇妙な名探偵たちの推理合戦が凄まじく、占星術から北欧神話カバラまで引き合いに出されて、「推理の迷宮」が構築される。さながら二十一世紀の「黒死館殺人事件」だ。
 下巻はさらに時間も時空をも超越して、SF小説ばりに「何でもあり」になった世界の中で、彼にとっての"正しさ"を貫こうと奮闘するディスコの物語が進行する。
 めくるめく文字の迷宮。壮大な架空空間。「凄い」のひと言がいかにも似つかわしい、読み応えずっしりの"怪"小説である。

(写真は3月20日、自宅にて撮影)