きょうも変わらず猫村さん

きょうの猫村さん 4
 本日発売の、ほしよりこ著「きょうの猫村さん」最新第4巻を、書店にて購入。前巻の発売から1年5か月ぶりだ(2008年3月21日の日記参照)。
 4巻目なので、そろそろマンネリなのかな〜と思いつつ読むと、やっぱり面白い。「猫の家政婦」というシュールな"非日常"をひとつだけ含んだ"日常"が延々と続く"だけ"の話なので、あまりマンネリがどうの、というのはこの物語には当てはまらないな。
 と思っていると、「日常ってすごいドラマよね〜」という台詞が出てきてハッとする。そう、本当は日々の営みそのものが物語を生み出してゆくんですよね。非日常に見えても、それはちゃんと日常に繋がっているというか。「ハレ」と「ケ」はどちらも日常の枠内にある、とか。
 猫村さんと他の人々の会話の噛み合わなさ加減も、今までより強調されている気がする。会話しているようで実はそれぞれ別のことをしゃべっていて噛み合わず、しかも当人たちはそれに気づいていない。思考や生活のフィールドやレベルが異なることで起きる齟齬のおかしみ、のようなものか。猫村さんの、ごくフツーの"おばさん感覚"というようなものに、ときどき"猫"の要素が混じるのも面白い。読んでいる我々も、日常の中で、実にたくさんすれ違ったりコミュニケーションが取れなかったりするなあ、そんなことを思ったり。
 新登場の岸カオルくんと、犬神の奥様の"よろめき"にも注目。それにしても、ホント絵が上達したなあ。