豚肉と里芋の梅高菜煮

この日の夕食の主菜用にと私の妻が作った料理は、豚肉と里芋の梅高菜煮だった(上の写真)。 我が家で最も出番が多い料理本のひとつ、若山曜子さんの『フライパン煮込み』掲載のレシピだ。 フライパン煮込み 作者:若山 曜子 主婦と生活社 Amazon 今日の豚肉…

コロナかもしれない

前回の日記から2か月以上空いてしまった。 一度途切れてしまうと、復帰するのにかなりの時間がかかってしまう。私の悪いところだ。 前回の日記を書き上げてからほどなく、今からちょうど2か月前の7月25日に38度5分の高熱が出て、それから丸2週間寝込ん…

単なる懐古ではなく。

ケネス・ブラナーSir Kenneth Branagh脚本・監督の映画『ベルファスト』"Belfast"を、例によって我が家からほど近い映画館・下高井戸シネマにて観た。 最も過酷な情勢下にあった1969年の北アイルランド・ベルファストを舞台に、9歳の少年バディとその家族や…

大いなる円環

遥かな未来のことだと、ずっと思っていた。 あの「お願い だれも息をしないで」。 そこに、ようやくたどり着いた。 物語の大いなる円環が、今ひとつに繋がった。 末次由紀著『ちはやふる』の最新第49巻を読んだ。周知の通り次の第50巻で完結が予定されており…

「倍速視聴」はしないけれども

稲田豊史著『映画を早送りで観る人たち』(光文社新書)をこの日、読了。 サブタイトルは「ファスト映画・ネタバレ--コンテンツ消費の現在形」。非常に話題になっている一冊だ。私も新聞の新刊広告でこの本の存在を知って以来とても他人事とは思えず、すご…

「ごはんファクトリー」の効用

この日の、私たち夫婦二人による自宅キッチンでの「ごはんファクトリー」の記録を。 私の妻が、この日の夕食の主菜として作ったのは、豚ロース肉のマスタードオニオン焼き(下の写真)。 スーパーで買った生姜焼き用のロース肉を厚みを残しつつカットしてあ…

ボルシチはウクライナの郷土料理

先月末のことだが、我が家の夕食の食卓に、私の妻が作ったボルシチが登場した(上の写真)。 栄養士の資格を持つ妻が地域の栄養士のヴォランティア団体に長らく参加していることは、以前にも書いた。そこでの活動の一環として、妻は月に一度、退職した人を中…

ハマスホイとドライヤー、都市の孤独

下高井戸シネマにて、映画『ゲアトルーズ』"Gertrud"を観た。デンマークの映画監督カール・テオドア・ドライヤーCarl Theodor Dreyerによる、1964年公開作品。全編モノクロである。私は寡聞にして全く知らなかったのだが、「カール・テオドア・ドライヤーセ…

誕生日と祝日と忌日と

というわけで、妻の誕生日から5日後の5月17日は、私の誕生日。 55歳になりました。ゾロ目だ(笑)。 もう毎年同じことばかり書いていて誠に恐縮だが(でも書くけど)、5月17日は私の誕生日であると同時に、ノルウェーの事実上の建国記念日たる憲法記念日…

シカゴピザでお祝いを

5月12日は、私の妻の誕生日。 毎年同じことを書いて恐縮だが(でも書くけど)、この日から私の誕生日5月17日までの5日間だけ、夫婦同い年になる。 今年は、天気予報で誕生日当日が雨模様との予報が出ていたので(実際に雨が降る一日だった)、前日の夜に…

エスニックディナーを「ごはんファクトリー」で

2021年8月28日の日記に書いた私のスパイスカレー作りだが、昨年9月に新しい家で暮らし始めてから、今でも続いている。とはいっても、先述の通り引っ越してしばらくはプチ適応障害で心身ともに激しく不調だったためとても料理をする余裕がなく、ようやくこ…

限りなく懐かしい、「イタリア的」なもの。

我が家からほど近い映画館「下高井戸シネマ」にて、イタリアの名匠パオロ・ソレンティーノ監督Paolo Sorrentinoの最新作『Hand of God -神の手が触れた日-』(英題:The Hand of God、イタリア語原題:È stata la mano di Dio)を観た。 米国アカデミー外…

「縁の下の力持ち」とジャンル映画について

2022年4月3日の日記に続き、第94回米国アカデミー賞の受賞結果について、雑感を記す。 今回のアカデミー賞での最多受賞作品は、6部門を受賞した『DUNE/デューン 砂の惑星』だった。2022年4月3日の日記にも書いたように私個人としては、『ドライブ・マ…

映画の大衆性と芸術性

周知の通り、日本時間で2022年3月28日に開かれた第94回米国アカデミー賞の授賞式において、濱口竜介さんが監督した日本制作映画『ドライブ・マイ・カー』が国際長編映画賞(以前の外国語映画賞)を受賞した。2022年3月17日の日記に書いた通り、この映画を…

栄一巡りは続く

渋沢栄一の生涯を描くNHK大河ドラマ「青天を衝け」が昨年末に最終回を迎えてから、丸3か月が経った。私たちが最終回の録画を観たのは年が改まってからの1月5日だったが、それから数えても早3か月近い。 ではあるが、2022年1月5日の日記に書いた通り…

物語ることの豊かさ

濱口竜介監督、西島秀俊主演の話題の映画『ドライブ・マイ・カー』を、我が家から比較的近い、街の映画館「下高井戸シネマ」にて観た。 dmc.bitters.co.jp 下高井戸シネマの上演作品のラインナップは週替わりが基本で、話題の作品でもせいぜい2週間程度しか…

静寂と郷愁の響き

先日の日記で、ウクライナと聞いて真っ先に思い浮かんだ人、フィギュアスケーターのオクサナ・バイウルさんについて書いた(2022年2月27日の日記参照)。 だが、そのあとで、私にとってものすごく大切な現代音楽の作曲家がウクライナ人だったことを完全に失…

パッタイと柚子胡椒

夕食のメインにと妻が作った今日の料理は、パッタイ。 いわゆるタイ風焼きそばだ。 ここ数日で日中の気温がぐんと上がって、季節が春へと一気に前進したような暖かさ。それどころか、いきなり春本番並みの気温で少々暑く感じることも。身体が戸惑うことこの…

「歴史」を学ぼう

3月11日。 東日本大震災から11年。 あの災害の記憶を風化させてはいけない。 大地震と津波、原発が引き起こした大いなる苦難と、復興への血の滲むような足掻きを忘れてはいけない。記憶すること、語り継ぐこと。それがとても重要なのだ。 あの11年前の悲劇…

28年の月日を超えて

2月27日の日記で言及した、1994年リレハンメルオリンピックのフィギュアスケート女子シングル金メダリストにして、ウクライナ初のオリンピック金メダリストであるオクサナ・バイウルOksana Baiulについて、少々追記を。 まず、オクサナ・バイウルさんご本人…

河津桜の咲くころ

東京・代官山の西郷山公園にて、河津桜の写真を撮る。 3月に入ってようやく気候が春めいてきたので、そろそろ河津桜も花が咲き始めたかと思い、代官山に来たついでに様子を見に訪れた。 西郷山公園の真ん中にある小高い丘の上に、すっくと一本だけ河津桜の…

花はどこへ行った

ウクライナという国名を聞いて私が真っ先に思い浮かべる人は、1994年リレハンメル冬季オリンピック大会のフィギュアスケート・女子シングルで金メダルを獲得したオクサナ・バイウルOksana Baiulだ。 ・オクサナ・バイウル - Wikipedia あの時、女子シングル…

【映画記録】挨拶ことばは「クー!」

下高井戸シネマにて、映画『不思議惑星キン・ザ・ザ』デジタルリマスター版(露語題"Кин-дза-дза!"、英題" Kin-dza-dza!")を観た。 www.pan-dora.co.jp 映画の最初の公開は1986年、今から38年前だ(日本での初公開は1989年)。伝説のカルト映画(この言葉も…

飛鳥山にて「栄一詣で」

NHK大河ドラマ「青天を衝け」が最終回を迎え、ドラマが終わった今頃になって「渋沢栄一巡り」をしたくなり居ても立ってもいられなくなった(2022年1月5日の日記参照)私。 さっそく渋沢栄一ゆかりの地のひとつ、東京都北区の区立飛鳥山公園を訪れた。こ…

みんながうれしいのが一番

大丈夫だい。私が言いたいことはちっとも難しいことではありません。手を取り合いましょう。困っている人がいれば助け合いましょう。人は人を思いやる心を、誰かが苦しめば胸が痛み、誰かが救われれば温かくなる心を当たり前に持っている。助け合うんだ。仲…

住所が変わりました

そんなわけで(どんなわけだ)、新しい家で暮らしている。 私が生まれ育った東京は世田谷区代田にある実家を、独立型二世帯住宅に建て替える新築工事を今年(2021年)の頭から進めていた。私たち夫婦と私の母とが同じ屋根の下で個別に暮らせるようにとのこと…

冬至の銀婚

12月22日は、私たち夫婦の結婚記念日。 この日は、毎年ではないがほとんどの年において冬至の日に当たる。 今年(2021年)の12月22日も、冬至の日。 さらに今年は、私たちの新しい家で迎える初めての結婚記念日になった。 毎年結婚記念日に作る、恒例のブッ…

人生の「ヒマつぶし」

数日前に、下高井戸シネマにてジム・ジャームッシュ監督Jim Jarmuschの2003年の作品『コーヒー&シガレッツ』"Coffee and Cigarettes"を観た。 下高井戸シネマで映画を観るのはほぼ9か月ぶりだ。これまでも自宅から自転車で15分という近さがたいへん便利だ…

紙の本の「効用」

朝日新聞の毎週木曜日夕刊に掲載されている脚本家・三谷幸喜氏のコラム「三谷幸喜のありふれた生活」。毎週楽しみにして欠かさず読んでいるのだが、先日(12月2日)のエッセイ(第1064回)に、思わず我が意を得たりと膝を打った。 前週のコラムでは三谷氏は…

中世は「暗黒」ではない

引っ越しを目前に控えたバタバタのせいでなかなか読み進まないが、ウィンストン・ブラック著『中世ヨーロッパ ファクトとフィクション』(大貫俊夫監訳、平凡社)を少しずつ読んでいる。 中世ヨーロッパ: ファクトとフィクション 作者:ウィンストン・ブラッ…