朝日新聞の毎週木曜日夕刊に掲載されている脚本家・三谷幸喜氏のコラム「三谷幸喜のありふれた生活」。毎週楽しみにして欠かさず読んでいるのだが、先日(12月2日)のエッセイ(第1064回)に、思わず我が意を得たりと膝を打った。 前週のコラムでは三谷氏は…
引っ越しを目前に控えたバタバタのせいでなかなか読み進まないが、ウィンストン・ブラック著『中世ヨーロッパ ファクトとフィクション』(大貫俊夫監訳、平凡社)を少しずつ読んでいる。 中世ヨーロッパ: ファクトとフィクション 作者:ウィンストン・ブラッ…
前日の夕食のメインは、さらにその前日に私が作っておいたスパイスカレー&ライス。「翌日のカレーはとても美味しい」とよく言われるが、やはり一日置くとカレーの旨味が増すように思うので、最近はスパイスカレーに関しては食べる前日に作っておくことが多…
この日記に書きたいことは山ほどあるというのに、なかなか書くに至らない日が続く。 昨年の終わり頃から種々の医者に通い続けた成果(?)もあって、昨年後半の最悪の状態からはだいぶ回復したが、まだまだ執筆や作品作りなどで画面を集中して凝視できる時間…
このテレビドラマについて書こう書こう、と思うだけで一向に手が動かないうちに、どうやら放送が半分を過ぎてしまったようなので、慌てて少し書いておこうと思う。 現在放送中の、NHK大河ドラマ「青天を衝け」である。 大河ドラマ 青天を衝け 完全版 第壱…
児童文学者・翻訳家の神宮輝夫氏の訃報に接する。 享年89歳とのこと。 今はただ、逝きし魂の安らかなる平安を願うのみだ。 www.asahi.com 神宮輝夫さんの代表的な訳業としてよく挙げられるのは、『ツバメ号とアマゾン号』をはじめとするアーサー・ランサムAr…
玄関のドアを開けると、ポーチに瀕死の蝉が横たわっていた。 仰向けに転がって、わずかに弱々しく足を動かしている。 最期の刻を迎えつつあるようだ。 土の上で終末を迎えられるように、 そっと脇の植え込みの中に移してやった。 やがて、土に還ることができ…
本日の夕食の副菜に私の妻が作った、茄子の旨辛ナムル(上の写真)。 レンジで加熱してくったりした茄子に絡めた胡麻油とコチュジャンの、えも言われぬ香りとほんのり辛みがよく効いていて、実に旨い。簡単に作れるので、お酒のおつまみとしても秀逸な一品だ…
佐藤信編『古代史講義 邪馬台国から平安時代まで』(ちくま新書)を読了。現在第4弾まで出ている、ちくま新書の大人気「古代史講義」シリーズの記念すべき第1集を、ようやく読むことができた。 古代史講義 ──邪馬台国から平安時代まで (ちくま新書) 筑摩書…
この日の我が家の夕食は、ライトなイタリアンディナー。ワインを一本開けて、じっくり楽しんだ。 その締めのパスタ料理として妻が作ったのは、ブロッコリーのアーリオ・オーリオスパゲティ(上の写真)。 あらかじめくたくたになるまで茹でて、とても崩れや…
今年の5月28日に、小路幸也著『アンド・アイ・ラブ・ハー』を読了。読了してからずいぶん間が空いてしまったので、読了記録とは別の投稿として、少々思うところを書くことにしよう。 アンド・アイ・ラブ・ハー 東京バンドワゴン (集英社文庫) 作者:小路幸也…
ピーマンの肉詰め焼き(下の写真)。 私の妻がこの日の夕食の主菜に作った料理だ。 家庭料理としてかなりポピュラーなイメージのある料理だが、作るのにかなり手間がかかるせいか、意外と食卓に上がる頻度が少ないような気がする。 この料理を作る際に元ネタ…
朝井まかて著『雲上雲下』を、この日読了。この著者の小説は初読だった。 朝井まかて氏は時代劇専門の小説家というイメージがあって、正直今まであまり興味が湧かなかったのだが、この作品は民話(昔話)と物語ることにまつわるファンタジー小説だと聞き、フ…
昨年急逝した直木賞作家・藤田宜永氏の小説『愛さずにはいられない』を読了。著者の唯一の自伝的小説といわれる、原稿用紙千三百枚の大長編だ。その長さにもかかわらず、文章自体はとても読みやすく、生き生きとした会話や臨場感溢れる場面展開の妙に引き込…
小路幸也著『アンド・アイ・ラブ・ハー』(集英社文庫)を読了。 東京下町の古書店を舞台にした人気大家族小説「東京バンドワゴン」シリーズの第14作(本篇だけなら第11作)である。 アンド・アイ・ラブ・ハー 東京バンドワゴン (集英社文庫) 作者:小路幸也 …
巡り巡って、妻の誕生日から5日後。 5月17日は私の誕生日。 何度も書いているが、5月17日はノルウェーでは最も重要な祝日だ。 さらに昨年の同じ日の日記に書いたように、この日の東京は超個人的認定の「晴れの特異日」なのだ。が、今年の5月17日の東京の…
5月12日は、私の妻の誕生日。 例年同じことを書いていて恐縮ですが、この日から私の誕生日(5月17日)までの5日間だけ、夫婦同い年になります。 3月5日(私の母の誕生日)に母にご馳走したので、そのお返しにと母が、妻の誕生日を(と一緒に5日後の私…
3月5日は、私の母の誕生日。今年で満82歳。 私の実家の近くにある、オープンしてまだ丸2年というイタリア料理店「Daitalia」(ダイタリア)にて、母と妻と私の三人でディナーをいただき、ささやかに誕生日を祝う。 www.daita-lia.com 新型コロナ禍による…
半ば彼岸の淵を覗き込むような日々が続く。緊張を強いられて疲弊する一方で、鬱々とした思念ばかりが澱のように降り積もるこの十日ほど。ストレスが体調にも影響してイマイチな状態が続き、余計に鬱陶しい。 いつ事態が急変するか知れないので翌日以降の予定…
すっきりと深い青色をした、爽やかな秋晴れの空に誘われて、自転車で砧公園へ。 公園内でのんびり散策しながら、点景をカメラに落とし込む。 芝生に覆われた原っぱが広がり、ヨーロッパの公園や英国の牧草地を彷彿とさせる。 砧公園はこういうだだっ広い原っ…
これは、現代の私たちが本当に観なければならない映画のひとつではないか。 とはいいながら、観た翌日に泊まりがけで法事に出席し疲れ果てて帰宅した上に、尚且つ別途に重大な懸念を抱える身としては、この映画についてじっくり書いている時間がないかもしれ…
叔父の訃報に接する。 大好きだった叔父への手向けに、久々に花束を買ってダイニングテーブルに飾る。 気がつけば、彼岸を過ぎてすっかり秋が深まり、菊の花がほんのりと開く季節だ。 ほんのりと丸い菊の花々が、輪郭を震わせながら暗闇の中に浮かび上がる。…
この頃は、武田百合子の有名な『富士日記』を、ことの合間を見てはつらつらと読み進めている。 富士日記(上) 新版 (中公文庫 (た15-10)) 作者:武田 百合子 発売日: 2019/05/23 メディア: 文庫 小説家・武田泰淳の妻だった著者が、富士山麓で夫と過ごした13年…
レンタルしたDVDで、映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』"Knives Out"(2019年)を観る。 名探偵が登場する本格推理ものなので、ちょっと期待して観たのだが。 ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密 [DVD] 発売日: 2020/07/22 メディア: DV…
109シネマズ二子玉川にて、クリストファー・ノーラン監督Christopher Nolanの名作『インターステラー』"Interstellar"(2014年)を、IMAXレーザーでの特別上映にて鑑賞してきた。同監督の最新作『テネット』"Tenet"に関連した企画だったらしい。 我が…
まさに今、この国は、いろいろな意味での「夏の終わり」に差し掛かっているようだ。 そのことを改めて認識する、この頃である。 2020年9月7日の日記に書いた経緯で、予定から一週延期で本日放映された大河ドラマ「麒麟がくる」第23話を観たときのこと。 ド…
ずっと気になっていたドキュメンタリー映画『すばらしき映画音楽たち』"Score: A Film Music Documentary"(2016年)を、レンタルのDVDでようやく観ることができた。 score-filmmusic.com 小さい頃から映画音楽が大好きだった私。それも主題歌とかではな…
この国の「夏」は、確かに終わろうとしていた。白いワンピースと麦わら帽子の少女の姿は、間違いなくこの国が常に上向きで、「暑かった」時代をノスタルジックに象徴しているのだろう。 先日読了した、恩田陸氏の最新長編小説『スキマワラシ』。8月28日の日…
夕食時に久々に赤ワインを飲んで(上の写真)、ちょっといい気分になったこの日の夜。 食後にNHKで再放送中の「未来少年コナン」の昨夜放送分の録画を観ようとしたら、九州を席巻している超大型台風情報のために放送休止になり、一話分延期になっていた。…
(写真は2020年9月4日に、井の頭公園にて撮影) このところ大気が非常に不安定な日が多く、よく晴れていたのにたちまち入道雲が押し寄せて、激しい雷鳴が轟きにわか雨が降りしきってまた晴れる、なんてことが毎日のように起こっている。実際、ここ数日は何…